AI による SEP ライセンスの透明性に関する警告 / Fortress が IPValue を買収 / UPC が英国での暫定ライセンスに関して懸念表明 / 東京地裁の調停ルール改定 / ほか多数
Sisvel Insights 週刊まとめニュースの最新号へようこそ。この 7 日間で目に留まった SEP の世界に影響するニュース、分析、データポイントをまとめてお届けします。
** ここをクリックすると、毎週月曜日に本ニュースレターを直接メールで受け取ることができます **
シズベルのポートフォリオ管理責任者を務める Sharaz Gill は、入社前、AI を活用した特許プラットフォーム、IP Mind の創設者として活躍していました。AI および標準必須特許(SEP)の両分野に精通する Gill が 先週、Sisvel Insights に寄稿した記事、「AI ライセンスにおいて透明性は本当に求められているのか」は、示唆に富む内容となっています。
Gill は、AI がこれまで不透明になりがちだったライセンス市場を可視化する大きな可能性があると確信する一方で、その取り扱いには慎重さが求められると警告もしています。Gill の指摘によれば、誰もが、完全な透明性を求めていると最初は言うものの、その実態や結果を理解すると、ライセンサーもライセンシーも戸惑いを見せるケースが少なくありません。ただし、こうした状況が意味しているのは、AI を放棄すべきということではなく、AI の活用方法を明確にする必要があるということだと、Gill は主張します。「透明性は必要ですが、安易な形で求めては いけません」と、Gill は述べています。「方法、ガバナンス、利用に関するルールを備えた規律ある透明性を求めるべきです。」今回の寄稿は、業界全体に影響を与えうる重要な論考として、注目に値します。
そのほか、Fortress Investment Group による IPValue の買収が発表され、知的財産市場における大きな話題となりました。一方、ルクセンブルクの統一特許裁判所(UPC)控訴院が、英国における暫定ライセンス宣言が UPC における権利行使に及ぼす影響について懸念を表明しました。また、SEP の司法調停の手続きを規定する東京地裁の規則についても、重要な進展がありました。
以下に紹介する記事は、内容に賛同しているためではなく、指摘する価値がある注目すべき情報と思われるため取り上げていることをご了承ください。
マーケット
Fortress Investment Group が、特許ライセンス企業である IPValue を買収しました。ただし、同社は今後も独立系企業として運営されます。詳細はこちら(IAM)🔒。ip fray も参照 🔒
シズベルの POS パテントプールに、新たにライセンサーとして Unisoc、Harfang IP、China Unicom、IP Innovation の 4 社が加わりました。詳細はこちら(シズベル LinkedIn)
Fractus が、IoT 資産追跡分野において初の特許ライセンス契約の締結を発表しました。詳細はこちら(IAM)
中国のスマートフォンブランド Honor が、Avanci の 4G および 5G 車載プログラムにライセンサーとして参加しました。詳細はこちら(PRIP Research)
法務関連
統一特許裁判所(UPC)控訴院が、英国における暫定ライセンス宣言の実質的な影響について懸念を表明しました。詳細はこちら(Bristows)。ip fray も参照 🔒
東京地方裁判所が SEP の司法調停の手続きのルールを改定し、今後は一方の当事者のみの申し立てにより手続きを開始できるようになりました。詳細はこちら(ip fray) 🔒
Ericsson と Transsion による SEP 紛争が続く中、リスボンとパリの UPC で新たな進展がありました。詳細はこちら(ip fray) 🔒
米国では、Dolby が InterDigital に対して提起した確認判決訴訟の継続を裁判所が認めました。詳細はこちら(IAM) 🔒
政策と意見
裁判所によるライセンス料率設定が、市場原理で形成され、成功しているパテントプールの安定性を損なう可能性があります。詳細はこちら(IAM) 🔒
ブラジルの商業裁判所は、迅速な差止命令で定評がある一方で、標準必須特許訴訟の審査においては厳格さを増しています。詳細はこちら(MLex) 🔒
SEP 紛争の仲裁手続きには、適時性、厳格性、中立性という、バランスを促進する 3 つの重要なメリットがあります。詳細はこちら(Patricio Delgado、LinkedIn)
SEP ライセンスフレームワークの多様なメリットを維持するには、契約当事者がその合意内容を遵守するか、あるいは法制度によって確実な施行が担保されることが不可欠です。詳細はこちら(Law360) 🔒
戦略と分析
SEP ライセンスの透明性向上に向けた AI 活用は有益な目標ではあるものの、その実現にあたっては、方法、ガバナンス、利用ルールを定めたうえで慎重に進める必要があります。詳細はこちら(Sisvel Insights)🔒
先月ブラジルで、Geely に対する仮差止命令の執行停止の決定が下されたことを受け、同国裁判所の SEP 関連の仮差止命令に対する姿勢変化をめぐる議論が活発化しています。詳細はこちら(IAM)
最近刊行された標準化ガバナンスと知財政策に関するフィールドガ イドは、中立的な入門書ではなく、一部の論点を偏った形で提示しているとの批判があります。詳細はこちら(「Standards at Risk(危険にさらされている規格)」)
50 年にわたる研究によると、規制環境の予見可能性こそが、知的財産価値の地域差の理由であることが明らかになりました。詳細はこちら(IAM) 🔒
米国特許商標庁(USPTO)への出願のうち、筆頭発明者が米国在住であり、かつ継続出願、分割出願、または部分継続出願に該当しない案件の年間総数に占める割合は、20 年前の約 33% からが、2024 年には 13% にまで減少しました。詳細はこちら(PatentlyO)
