シズベルの POS パテントプールにおけるロイヤリティ料率のベンチマーク

カテゴリ
IoT
日付
2026年9月02日

セルラー通信機能を搭載した POS 端末は割高な価格設定がされており、シズベルのプール料率は FRAND の範囲内にあることが、データにより判明

文責:Donald Chan

2024 年以降、POS(販売時点情報管理)の分野では数多くの契約や紛争が表面化しているものの、公表されたライセンス契約であれ裁判所の判決文であれ、POS のロイヤリティ料率が公に開示された事例はまだありません。

こうした情報の不足は、標準必須特許(SEP)ライセンスがより定着している製品分野(スマートフォンなど)や技術分野(ビデオコーデックや Wi-Fi など)とは対照的です。公開データが乏しいことは、この市場に対応しようとしているライセンサーとライセンシーの双方にとって、適切な判断を行う上で大きな課題となっています。

こうした中、POS パテントプールの創設は、大きな前進といえます。透明性に関するベストプラクティスを遵守しているすべてのパテントプールと同様に、シズベル POS プログラムは、透明性の高い価格体系で関連する SEP の大部分を利用可能にすることで、市場における情報格差の軽減に貢献しています。

これまでのプールの進捗状況を要約すると、以下のとおりです。

  • 4 月に、Huawei、LG Electronics、Nokia を創設ライセンサーとして本プログラムの開始を発表し、セルラー SEP を保有するすべての関係企業者に参加を呼びかけました。

  • その後の 3 か月間で、ライセンサーの総数は 44 社に増え、独立した SEP データによれば、現在、セルラー SEP ファミリーの 50% 以上がこのプールライセンスを通じて利用可能となっています。

  • 先週、シズベルはプールのロイヤリティ料率に加え、完全な契約条件を詳細に定めたテンプレート契約書を公開しました。

そして本日、シズベルはさらなる一歩として、公表した料率を具体的に位置づける、ロイヤリティ分析を公開しました。この分析では、セルラー分野において裁判所が認定した FRAND 料率の範囲と照らし合わせ、今回の料率がどの位置にあるのかを検証しています。分析資料については、こちらをご参照ください。

レポートの主な内容を、以下に紹介します。

  • POS 端末は幅広い価格帯で販売されています。

  • すべての POS 端末がセルラー通信機能を搭載しているわけではありませんが、企業はセルラー通信機能搭載端末に対して割増された価格を支払っています。POS 端末全体で見ると、セルラー搭載モデルと非搭載モデルの平均価格差は 14% です。特に、モバイル用途に特化した POS サブカテゴリでは、価格プレミアムは平均では最大 20% に達します。

  • シズベルのロイヤリティ体系は、POS 端末を 4 つのカテゴリに分類しています。これらのカテゴリは、現在入手可能な POS 市場データで使用されているカテゴリと正確には一致しないものの、一定の近似値により、シズベルの料金体系に基づく総ロイヤリティ負担額を推定することができます。最も低いロイヤリティ料率(1.20 ユーロ)の場合、推定されるロイヤリティ負担は 2.9%、最も高いロイヤリティ料率(8.00 ユーロ)では 6.6% です。

  • シズベルの各料率に基づく総ロイヤリティ負担額は、絶対額と従価額の両方において、セルラー技術についてこれまで裁判所が FRAND と認定してきた料率の範囲内にあります。

プール条件を公開し、説明を終えたシズベルは現在、この提案を実施者に提示することに注力しています。シズベルの料率体系が、プールライセンスを取得するか否かにかかわらず、この市場のすべての利害関係者にとって有益な判断材料のひとつとなることを期待しています。

Donald Chan はシズベルの FRAND & ロイヤリティ責任者です

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