好調なスタートを切ったシズベル POS プログラムの次のステップ
プログラム開始からわずか数か月 で多くの特許権者が参加。セルラー SEP ファミリーの 50% 超をカバーするライセンスへ
文責:Sven Törringer
今年 4 月に開始した新たな POS(販売時点情報管理)向けライセンスプログラム、シズベル POS は、プール形成の段階から非常に順調な滑り出しを見せています。Huawei、LG Electronics、Nokia を創設ライセンサーとして、4 月初めに公式に立ち上げて以降、多数の特許権者を早期参加者として迎え入れることができました。
現在、参加ライセンサーは 44 社に達しており、ライセンサー数・対象特許数のいずれにおいても、シズベルがこれまでに運営してきたライセンスプールの中で最大規模となっています。さらに重要なことは、セルラー SEP の 50% 以上がすでに、ひとつのプールライセンスでカバーされるようになったことです。
この 4 か月間は、多くの特許権者との建設的な対話を重ねる、非常に実りある期間となりました。現在、プロジェクトは本格始動の段階を迎えつつあり、ここでプールの立ち位置と今後の予定についてお知らせしたいと思います。その前に、まずは本プログラム立ち上げの背景を振り返ってみましょう。
このプロジェクトに着手した理由
セルラー技術は小売取引を大きく変革してきました。モバイル信号で場所を問わずシームレスな決済を可能にするだけでなく、小売業者は在庫管理やビジネス分析に関して高度な機能を利用できるようになりました。
セルラー通信対応の POS デバイスの普及に伴い、決済端末メーカーは、相互運用性を確保し技術を推進するうえで規格と特許ライセンスが重要な役割を果たす業界に、加わることとなりました。実際に、 こうした変化が二社間ライセンス契約締結や、また場合によっては訴訟という形で展開され始めています。
一方で、セルラー分野には、POS 端末メーカーが関連する特許権の大部分を、競合他社と同じ条件で一括取得できる「ワンストップ」のライセンスソリューションが存在していませんでした。
シズベルは、Wi-Fi、セルラー、IoT 分野における豊富なプールライセンス運営とイノベーションの実績を活かし、こうしたサービスを提供できると確信していました。ただしその実現には、十分な量と質の特許ポートフォリオの確保が不可欠でした。
市場からの驚くべき反応
このプールに対する特許権者の関心の大きさは、私たちの想定を超えるものでした。当初わずか 3 社のライセンサーから始まったプールは急速に拡大し、今では 44 社のライセンサーが参加する、シズベル史上最大のライセンスプールへと成長しています。
この短期間でこれほど多くの参加を得られたことからも、この業界で前進するための最善の方法は集団式のアプローチであると特許権者が認識していることは明らかです。こうした市場の反応は、POS セクターはプールに十分適しているという私たちの信念の正しさを立証しており、プログラムを市場に投入する際の推進力となっています。
セルラー SEP ファミリーの 50% 以上をカバー
特許保有権が極めて細分化しているセルラーのような市場では、実現可能なプールの効率性を決定するうえで、ライセンサーの数が重要な指標となります。一方で、実施者にとっては、SEP 全体のうちどの程度をカバーしているかも極めて重要です。
このたび、LexisNexis Intellectual Property Solutions が実施した 2G/3G/4G/5G 統合宣言の分析に基づくと、シズベルの POS プールの 44 社のライセンサーがトータルで、ライセンス範囲内のパテントファミリーの 50% 以上を占めていることが明らかになりました。創設メンバーの Huawei、LG Electronics、Nokia は、市場をリードする大規模なポートフォリオを提供しており、その後に続く多数の企業が、50% のしきい値を超えるレベルにまで合計カバレッジを引き上げました。さらに、対象には世界有数の 10 大ポートフォリオのうち 6 件が含まれています。
POS 端末メーカーにとって、シズベルの POS ライセンス一件を取得することでセルラー特許のリスクの大部分に対応できるだけでなく、多数の権利者と個別にライセンス交渉を行う負担を大幅に軽減できることを意味します。
プール展開に向けた次のステップ
プール形成フェーズが完了に近づいた現在、私たちの焦点は市場への本格展開へとシフトしつつあります。シズベルのパテントプールでは、そのためにいくつかの重要なプロセスを進めています。
参加ライセンサーの構成がほぼ固まったことを受け、現在は、基盤技術の価値、セルラー SEP 全体に対するプールのカバー率、そして 44 社の特許ポートフォリオを単一ライセンスに集約することで生まれる取引効率などを総合的に考慮し、公平かつバランスの取れたロイヤリティ料率の策定に取り組んでいます。
今後数か月以内に、ロイヤルティ料率を含む、ライセンス条件に関する包括的な情報を公開する予定です。これにより、POS 業界は商業的観点からこのプールのサービスを評価できるようになります。
同時に、当社 はすべての参加ライセンサーに対し、第三者機関の必須性評価を受けてもらう目的で特許の提出を依頼しています。これはプール形成上の重要なステップであり、多くの時間とリソース投資が必要ですが、その結果として得られる特許リストは、ライセンシー候補企業が、技術的な観点から本サービスを安心して評価できる基盤となります。
POS デバイス販売業者へのメッセージ
当社はすでに多くの主要 POS 端末メーカーと提携しており、パテントプールの立ち上げが本格化する中、まもなく FRAND 条件に基づくライセンスを正式に提供できる段階を迎えます。
私たちがお伝えしたいメッセージは明確です。シズベル POS プログラムは、必要な特許ライセンスを効率的に取得するための新たな選択肢を提供します。包括的なプールライセンスの登場は、POS 業界にとって素晴らしいニュースです。企業は、ライセンス条件の透明性、法的な安心感、そしてライセンスコストの予測可能性というメリットを得られるようになります。私たちは POS エコシステムに関わるすべての企業に、このプログラムのご利用をお勧めします。通信対応決済システムのさらなるイノベーションを推進するライセンス環境をともに築いていきましょう。
Sven Torringer は、シズベルの POS プログラムマネージャです。


