Wi-Fi 7 の主要企業がシズベルプールを支持 ― 調査が示唆
最新かつ非常に優 れた Wi-Fi 技術を開発してきた企業が、ライセンサーおよびライセンシーの双方として、シズベルの Wi-Fi マルチモードプログラムを支持
先週発表された LexisNexis Intellectual Property Solutions による最新の報告書が投げかけた、「Wi-Fi 7 特許の争いで現在リードしているのは誰か?」という問いは、Wi-Fi 特許ライセンスに関わる多くの関係者の関心を集めています。
なお、シズベルはこの報告書の作成に関与しておらず、その調査結果を支持する立場にはありません。また、報告内容の基盤となっているデータや、調査方法の詳細も把握していません。
もっとも、公表された報告書の概要とそれに伴うメディア報道に基づく所見はいくつかあります。
透明性の不足
この調査の目的として挙げられているのが、標準必須特許分野における透明性の不足への対処です。著者によれば、この問題は特に Wi-Fi で顕著であり、「IEEE Wi-Fi 特許宣言の 92% は、具体的な特許を特定しない包括的な内容の声明にとどまっている」と指摘します。
この報告書では、シズベルの Wi-Fi マルチモードパテントプールは標準必須特許情報とロイヤリティ料率の両方にとって重要な基準点となっていると示唆されています。
本調査で提示され ている価格ベンチマークは、シズベルのプログラムの完成品に対するロイヤリティ料率(Compliant Rate)(Wi-Fi 6 で $0.50、Wi-Fi 7 で $0.60)が唯一です。著者らは、これを出発点としてロイヤリティスタック全体を推定しています。プールがその料率を公開することで、エコシステム全体にこうしたメリットがもたらされます。
さらに重要なのは、LexisNexis は AI Classifier を使用して Wi-Fi 特許の全体像をモデル化している点です。この AI ツールのトレーニングに使用されるデータとして 2 種類が挙げられます。
「真の肯定的な例(例:プールに組み入れられた Wi-Fi 特許など)」
「真の否定的な例(例:Wi-Fi とは無関係な無線特許など)」
シズベルは、第三者評価者によって必須と認定された Wi-Fi 権利をリスト化した特許パンフレットを発行した、唯一のプール運営者です。これは Wi-Fi 6 プログラムの下で開始され、引き続き Wi-Fi マルチモードの下でも継続されています。
この情報は、LexisNexis を始めとする商業プロバイダを含め誰でも利用可能であり、プール内のポートフォリオだけでなく状況の全体を的確に把握するために役立っています。すなわち、プール運営者および参加特許権者が透明性の原則に則って取り組むことで、市場全体が恩恵を受ける好例と言えます。
特許スタックの相当部分をプールがカバー
LexisNexis の報告書では、Wi-Fi 特許ランキングにおける各企業が保有する特許の具体的な数やシェアは開示しておらず、順位のみを提示しています。ただし、「特許環境全体のおよそ 5 分の 1」を、シズベル Wi-Fi マルチモードプログラムに参加している特許権者 10 社が占めているとされています。
その基盤となるデータについても、当社は把握していません。一方、シズベルは Wi-Fi マルチモードプログラムのロイヤリティ算定の説明資料を公開しており、そこでは関連する技術規格への貢献という観点から同プログラムのライセンサーの特許スタックに占める割合を分析しています。それによると、同プログラムの特許権者が Wi-Fi 7 規格への技術的貢献の 30.7% を担っており、Wi-Fi 6 への技術的貢献(14.7%)から 2 倍以上増加しています。
これらを踏まえると、シズベルのプールは特許スタックのかなりの割合をカバーしており、その特許が標準化プロセスにおける中核的な技術貢献に対応していること、さらに、この対象範囲が Wi-Fi 7 の登場によって大幅に増強されていることは明らかです。
Wi-Fi 主要特許権者でもあるシズベルのライセンサー
同報告書は、シズベル Wi-Fi マルチモードプールが市場有数の Wi-Fi ポートフォリオへのアクセスを提供していることを改め て示しています。
特に Huawei は、Wi-Fi 6 と Wi-Fi 7 にまたがる最大の特許権者として取り上げられていますが、そのことは、標準化プロセスにおける同社のリーダーシップが広く認められていることを反映しています。加えて、ZTE、Panasonic、Wilus、SK Telecom も、近年の両世代の技術の主要なプレーヤーとして報告書の中で言及されています。
もっとも、規格の性質上、Wi-Fi ユーザーは、小規模なプレーヤーが保有するものを含め、必須特許すべてに対してライセンスを必要とします。その結果、この報告書で説明されているように、個別の契約が何十件も積み重なる可能性があります。大小さまざまな多数のポートフォリオを単一のライセンスにまとめることで、プールのメリットが増大します。
プールライセンスを取得しているのは技術に精通した実施企業
シズベルから Wi-Fi ライセンスを取得した主要な実施企業の中には、有力な特許権者としてリストに挙がる企業もあります。
LexisNexis によると、Cisco は Wi-Fi 6 の特許権者上位 10 社のうちの 1 社で、マルチモードプログラムのスタートに先立ち、2025 年にシズベル Wi-Fi 6 プールライセンスを取得しています。また、報告書によると、プールのスタート時に Wi-Fi マルチモードライセンシーとして発表された Sony は、Wi-Fi 7 に関しては第 8 位の特許権者とのことです。
これらの企業は単なる実施企業にとどまらず、この分野で大規模なポートフォリオを保有する技術リーダーでもあります。そのため、シズベルのプールに含まれるポートフォリオを評価する技術的専門知識と、提示される料率の妥当性を判断する商業的知見の双方を備えているのです。そのような企業がライセンサー兼ライセンシーである Huawei、ZTE、Panasonic、Philips とともに、訴訟に頼ることなくプールライセンスを取得することを選択した事実は、非常に示唆的といえます。


