シズベル深圳オフィス設立イベントでの注目ポイント
世界のイノベーションを牽引する都市・深圳で、シズベルの新時代 の幕開けを祝いました
4 月 21 日火曜日、シズベルは深圳における最新オフィスの開設を記念し、Conrad Shenzhen において、半日にわたるイベントを開催しました。現在稼働を開始しているシズベル中国オフィスは、会場からわずか 2 ブロックの場所に位置しています。当日は約 130 人が集まり、中国のイノベーション経済について議論し、現地の知的財産コミュニティのメンバーと交流を深め、前海深港地区のスカイラインに夕日が沈む中、カクテルレセプションを楽しみました。
イベントには中国各地の企業から、社内知的財産部門の幹部が多数参加し、登壇者としてだけでなく来場者としても交流を深めました。シズベルのパテントプールのライセンサー各社をはじめ、これまで提携の機会がなかった多くの企業の方々や、中国最大手の実施企業も数社ご参加いただき、大変有意義なイベントとなりました。
中国 IP Week の多忙な期間にもかかわらず、時間を割いてご参加いただいた皆様、とりわけこの機会のために遠方からお越しくださった皆様に、心より感謝申し上げます。
イベントでは様々な知財分野のリーダーが登壇し、中国が世界的なイノベーション大国へと劇的に変貌を遂げたことについて、また、パテントプールへの参加を含む特許ライセンスが知的財産の純輸出国となるまでの同国の道のりにおいて果たす役割について、意見を交わしました。
以下、特に注目を浴びたトピックをいくつか紹介します。
巨額の研究開発投資
シズベルが中国での事業展開を強化した背景について説明する中で、社長兼 CEO の Mattia Fogliacco は、同国をテクノロジ ー市場の中心地へと変貌させた画期的な変化について触れました。「標準化活動への参画、製造規模、製品サイクル、そして高品質な特許ポートフォリオの拡大にその変化は明確に表れています」と彼は述べました。
さらにこの進化を根本的に支えているのは、主要企業の巨額の研究開発投資と言えます。Huawei の戦略計画および主要プロジェクト部門責任者である Emil Zhang 氏は、売上高の 10% を研究開発に再投資することが同社の基本方針であり、昨年の実際の投資額は 20% を上回っていたと説明しました。ZTE も状況はほぼ同じであると、同社の IP マーケティングディレクターの Zhu Jin 氏は述べています。昨年の年間研究開発費は 200 億人民元を大幅に上回っており、これほどの支出であれば、投資に対して「妥当なリターン」が期待されるというわけです。
中国企業の研究開発における画期的な成果の中でも、おそらく最も注目度が高いのはバッテリー分野です。世界的なリーダーシップの地位を確立した CATL の副社長兼グローバル最高 IP 責任者である Sun Mingyan 氏は、同社の研究開発予算が、同業界全体の支出総額に匹敵すると出席者たちに語りました。
左から順に:Yixiong Zou(シズベル)、Sun Mingyan 氏(CATL)、Gao Rui 氏(China Mobile)、Chen Fangying 氏(CICT Mobile)、Zhu Jin 氏(ZTE)、Vincent Lin 氏(Oppo)
徹底した顧客重視
Huawei は、顧客に対する妥協のないコミットメントで広く知られます。シズベルの最高知的財産責任者である Heath Hoglund との対談で、Zhang 氏 は、Huawei 創業者の Ren Zhengfei は社員に対して「主流に注力せよ。お客様のニーズに応えることに注力せよ」と頻繁に説いていると述べました。氏によれば、これこそがビジネスにおけるイノベーションの重要な源泉であり、顧客の問題を解決すれば自ずと良い結果がもたらされる、ということです。
同様の考え方は、プールやその他ライセンスソリューションの構築にも当てはまります。「私たちは Wi-Fi マルチモードのようなプログラムを作ること自体が目的ではありません。まず業界からのニーズがあってのことです」と Zhang 氏は説明しました。成功しているプールには、さまざまな形がありますが、最も重要な点は、「Huawei のように主流市場に焦点を当てつつ、対象とする業界や市場に対応することだ」と強調しました。そのためには、双方と協力し、顧客層のあらゆるセグメントのニーズに対応することが必要だとしています。
Heath Hoglund(シズベルの最高 IP 責任者)と Emil Zhang 氏(Huawei の戦略計画および主要プロジェクト部門責任者)
バランスの重要性
中国の政策環境と司法制度を取り上げた 2 つの基調講演に共通して見られたテーマは、一言で言うなら「バランス」でした。
中国国家知識産権局(CNIPA)の知的財産活用および推進部元部長である Lei Xiaoyun 氏は、政策立案者が「知的財産強国」と呼ぶ国へと中国が進化を続けている現状を要約する、3 つのキーワードを提示しました。それが、「バランス」、「価値」、「エコシステム」です。
Lei Xiaoyun 氏(CNIPA、知的財産活用お よび推進部、元部長)
また、江蘇省高等人民法院知的財産裁判所の元裁判長、Song Jian 氏は、中国の裁判所が FRAND 関連の紛争を審理する際にも、バランスが重要視されていると明らかにしました。これは、中国が規格に基づく技術の実施においてだけでなくその発明においても世界をリードする存在となった事実を反映しています。
Song Jian 氏(江蘇省高等人民法院知的財産裁判所、元裁判長)
China Mobile Communications Group の上級顧問である Gao Rui 氏も、バランスは成功するライセンスプログラムを構築する上でも重要な考慮事項であると述べました。「ライセンサーとして、当社は実施者の立場に立って、自社のライセンス戦略が業界全体の利益に沿っているかどうかを常に考えなければなりません。」同氏は、業界全体の成長を促進することこそが、同社とシズベルとの提携の基盤であると付け加えました。
また、ライセンサーとライセンシーの両方の立場にある多くの中国企業にとっては、社内のバランス調整も必要となります。Oppo の特許ライセンスおよび収益化担当責任者である Vincent Lin 氏によると、同社ではこのバランスを取ることは容易であり、なぜなら、同社の知的財産チームは、たとえ標準必須特許ポートフォリオの拡大によって「ゴールキーパー」から「プレイメーカー」へと役割をシフトすることが可能になったとしても、本業を最優先にするという方針が明確に定められているからだ、とのことです。同社のライセンス供与の大半は現在パテントプールを通じて行われていると、氏は説明しました。
進化はまだ序章
今日の中国のイノベーションの現状は確かに目覚ましいものですが、その物語はまだ序章に過ぎません。Lei 氏によれば、知的財産分野において、欧米で約 400 年かけて進展した法制度の発展を、中国はわずか 40 年で実現してきました。政策立案者が現在重点視している分野の 1 つとして、市場志向型の知的財産権の商用化と活用の促進が挙げられるようです。また、CATL の Sun 氏が指摘したように、ライセンスベースのビジネスモデルの導入状況は業界によって異なります。中国の通信分野のリーダー企業による取り組みは、他分野で台頭しつつあるイノベータたちによって、注意深く研究されています。
深圳のイベントで当社の中国オフィス代表である Zou Yixiong は改めて次のように述べました。「シズベルは、中国の継続的なイノベーションの台頭を後押しすることに尽力しています。それは、中国の特許権者と緊密に連携し、世界トップクラスのイノベーションに報いるライセンスプログラムを設計および提供するだけでなく、当社のプールに加盟する特許権者を含む中国企業に対し、世界市場で競争し勝利を収めることが可能になるような条件で、必須の権利をシームレスに利用できるようにするということでもあります。」
中国の友人やパートナーの皆様に温かい歓迎をいただき、改めて御礼申し上げます。深圳において私たちは新たな章へ、そし てその先へと一歩を踏み出したところです。


