Wilus、Askey に対する米国での差止命令を請求 / Ericsson、初めての IoT 訴訟で Verifone を標的に / 英国での Qualcomm 訴訟が取り下げ / ドイツ有力判事が SEP を語る / ほか多数
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最近開始された Wi-Fi マルチモードプログラムを含め、複数のシズベルプールのライセンサーである韓国の研究開発企業、Wilus が、ドイツで Asus に対して執行中の差止命令を背景に、Asus の子会社である Askey に対して Wi-Fi 特許侵害訴訟を起こし、恒久的な差止命令を出すよう米国テキサス州東部地区連邦裁判所に要請したことが、先週明らかになりました。
ip fray によれば、「Askey が複数の有効な標準必須特許に対する侵害を認めた合意に基づき、Wilus は現在 Rodney Gilstrap 判事に(迅速な手続きでの)恒久的な差止命令を出すことを求めている」と報じられています。さらに同メディアは、「今回のケースは画期的な意義を持つ可能性を秘めている。Wilus の一部の主張、例えばホールドアウトによりライセンス企業が回復困難な損害を被り革新的な取り組みのための資金が不足する事態になっているという主張が受け入れられるとしたら、その影響は SEP 以外にも広がる可能性がある」と指摘 しています。
とりわけ注目に値するのは、昨年、特許訴訟における差止命令のより幅広い利用可能性を求めて、Radian Memory 対 Samsung Electronicsの紛争において米司法省と USPTO が提出した利害に関する共同声明を、Wilus がその提出書面の中に引用したことです。今回の事例は、世界中の FRAND/SEP コミュニティが非常に注目しています。特定の SEP 保有者に対して米国での差止命令が認められれば、市場にとって大きな転換点となることは間違いありません。
法曹界ではそのほかにも、Ericsson が Verifone に対し、初めて IoT 関連の執行を統一特許裁判所に提訴しました。また英国では、SEP ライセンス契約によりチップセット技術へのアクセスに際して Apple と Samsung を束縛する Qualcomm の規定に異議を唱えた、注目度の高い訴訟が取り下げられました。一方、ミュンヘン地方裁判所の Oliver Schön 裁判官は、JUVE Patent との詳細なインタビューのなかで、SEP 関連の多くの重要な問題について自らの考えを示しました。
以下に紹介する記事は、内容に賛同しているためではなく、指摘する価値がある注目すべき情報と思われるため取り上げていることをご了承ください。
マーケット
InterDigital と Sony は、ソニーのエンドユーザーデバイスのすべてを対象とするライセンス契約を更新しました。詳細はこちら(InterDigital プレスリリース)
メモリーチップの供給制約がますます厳しくなることを懸念し たデバイスメーカー各社は、2025 年末に、可能な限りの在庫を確保しました。その結果、第 4 四半期は複数の製品分野で出荷台数がここ数年で最も好調となりました。詳細はこちら(Sisvel Insights)
新技術が発明されてから世界で初めて使用されるまでの期間が、近年著しく短縮されています。詳細はこちら(世界知的財産報告書 2026:Technology on the Move)
法務関連
Wilus は、Wi-Fi SEP に関連した訴訟で、テキサス州東部地区に対し Askey への恒久的な差止命令を求める申立てを行いました。これが認められれば、最高裁判所による eBay 対 MercExchange判決以来 2 例目の差止命令になります。詳細はこちら(ip fray)
IoT SEP 関連の執行が初めて行われるなか、Ericsson は、統一特許裁判所のハーグおよびマンハイム支部で、POS 端末メーカーの Verifone に対して訴訟を起こしました。詳細はこちら(IAM) 🔒
英国 では、Qualcomm が同社のチップセット購入の条件として SEP ライセンスを取得するよう Apple と Samsung に要求したことは支配的地位の濫用にあたると主張する集団訴訟が取り下げられました。詳細はこちら(Reuters)。ip fray も参照
Ericsson は、同社の複数の基地局顧客に対しセルラー SEP を主張している Acer を相手取り、デラウェア連邦地方裁判所に非侵害および非 FRAND 行為の確認を求める訴えを起こしました。詳細はこちら(IAM)🔒
大きな注目を集めた VoiceAge EVS 対 HMD訴訟および Broadcom 対 Renault訴訟の判決の全文が、その判決を言い渡したドイツの裁判所によって公表されました。詳細はこちら(ip fray) 🔒
米国では、Qi 規格をめぐる訴訟が広がりをみせており、先週には、Powermat がテキサス連邦裁判所において Apple を SEP 侵害で提訴しました。詳細はこちら(IAM) 🔒
政策と意見
ミュンヘン地方裁判所の Oliver Schön 裁判官が、詳細なインタビューのなかで、SEP 関連訴訟の重要な問題について解説します。詳細はこちら(JUVE Patent)
EU の知的財産エンフォースメント指令に関する欧州委員会の新たな調査における提案は、特許の保護と執行を著しく弱めるだけでなく、欧州のイノベーションのリーダーシップを損なわせることにもなると指摘されています。詳細はこちら(IP Europe)
SEP 規制、中国での進展、英国の SEP 協議および訴訟支援が、2025 年における Nokia の知的財産ポリシー&アドボカシーチームの優先事項だったと、Collette Rawnsley 氏は述べています。詳細はこちら(ip fray)
英国の法改正が実現すれば、標準必須技術の使用やライセンス取得への関与を拡大したいと考える英国を拠点とする中小 企業にとって、公平な競争の場が与えられることになるかもしれません。詳細はこちら(New Electronics)
戦略と分析
2 月上旬に Apple が Optis との陪審裁判に勝訴したことで、6 月に英国最高裁判所で審理される予定の 2 つの訴訟が簡素化される見通しです。詳細はこちら(MLex) 🔒
Ericsson の特許ポートフォリオ管理戦略は、保有件数よりも質を重視しています。詳細はこちら(Gabriele Mohsler LinkedIn)
Qualcomm は、デバイスサイクルに関連する半導体企業であると同時に、標準必須の知的財産を基盤とするグローバルな特許ライセンスプラットフォームでもあります。これらを切り分けて見ると、収益プロファイルは異なって見えます。詳細はこちら(Jim Harlan LinkedIn)
RPX と Fractus の合意は、防御型アグリゲータのビジネスモデルが、非常に断片化された IoT 市場で効率性を生み出すことを示しています。詳細はこちら(IAM) 🔒
