車両への Wi-Fi 6 の搭載が間もなく始まりますが、Wi-Fi 7 はまだ先になりそうです。
自動車業界は、最新の Wi-Fi 技術の導入 において、他業界に比べて遅れがちです
文責:Giorgia Varvelli
ここ数ヵ月、シズベルのチームは大手自動車メーカー各社と面会し、効率的な Wi-Fi 6 パテントプールライセンスについて協議してきました。この取り組みは、自動車業界が新車モデルに Wi-Fi 6 の導入を計画し始めているという認識に基づいて開始されました。
私たちが行った市場調査により、この動向が確認されました。現時点では Wi-Fi 6 に対応した車両を製造している自動車メーカーは多くありませんが、業界関係者はこの技術が 2024 年末にかけてさらに普及が進むと予想しています。
Wi-Fi 6 を車両に統合することで、自動車メーカーにとって多くの利点があります。車両間、また車両内で送信されるデータ通信量は急速に増加しています。ユースケースには、ファームウェアの無線アップデート、カメラ映像のリアルタイム配信、高解像度のインフォテインメントコンテンツ、センサーや診断データのアップロードなどがあります。
Wi-Fi 6 は、 いくつかの重要な点で従来の Wi-Fi よりもこれらのタスクを効率的に処理します。前世代の Wi-Fi 5 に比べてデータの転送速度が速く、周囲の機器からの干渉が少なく、通信範囲が広く、消費電力も少なくなっています。これらの 強化された機能 は、車内のユーザー体験をよりスムーズかつ信頼性の高いものにしてくれます。
しかし、市場データによると、現在市販されている車両のうち、こうした利点を享受しているものは比較的少ないことが確認されています。 調査結果 によると、u-blox が昨年末に発表した調査では、2023 年に出荷される IVI(車載インフォテインメント)および TCU(テレマティクス制御ユニット)モジュール出荷台数に占める Wi-Fi 6 搭載の割合は 20% 未満にとどまると予測されていました。
出典: Wi-Fi at the heart of the Connected Car | Auto-Innovations 2023 年 11 月
ここで紹介された予測によれば、Wi-Fi 6 が自動車分野で過半数の市場シェアを獲得するのは 2026 年になる見通しです。Wi-Fi Alliance が 2019 年に Wi-Fi 6 認証プログラムを 導入 してから 7 年後、そして IEEE が 2021 年に最終版の規格を 公表 してから 5 年後のことです。
これは、CPE(顧客構内設備)やコンシューマーエレクトロニクス業界での導入スピードに比べて、明らかに遅いペースです。Wi-Fi 6 および 6E は、認証開始から 3 年後、最終規格の公表から 1 年後の 2022 年には、すべての製品において 50% 超の市場シェアを 獲得 しています。その当時、上記の数字が示すとおり、車載用 Wi-Fi モジュールでの導入はほとんど進んでいませんでした。
このことは改めて、自動車メーカーによる導入の遅れを浮き彫りにしています。つまり、最新の Wi-Fi 技術が民生機器には広く普及している一方で、自動車では数年にわたりほとんど導入されていない状況が続いていたということです。
では、Wi-Fi 7 の車両導入はどうなるのでしょうか。
実装までには、恐らく数年かかると思われます。
Wi-Fi Alliance は、2024 年初頭に Wi-Fi 7 の認証プログラムを 開始 しました。すでに、 最先端の製品 ではこの技術が採用され始めており、年末頃には規格が正式に発表される見込みです。
世代が進むごとに、導入のサイクルは短 くなる傾向にあります。Wi-Fi 5 は認証から 4 年後に(全製品のうち)50% の市場シェアを獲得しましたが、Wi-Fi 6 はわずか 3 年で同様のシェアを 獲得 しました。
Wi-Fi 6 がようやく車載分野で普及し始めたばかりであることから、車載向け Wi-Fi 7 の普及までどのくらいかかるかを正確に予測するのはまだ時期尚早です。しかし、過去の傾向を参考にすると、2027 年には少量ながら登場し、その 2〜3 年後には自動車向けモジュールの大半を占める可能性があります。
Giorgia Varvelli は、シズベルの Wi-Fi 6 パテントプールのプログラムマネージャです。

