スマートフォン、タブレット、PC において第 2 四半期は堅調な売上成長を記録

カテゴリ
市場データ
日付
2024年8月15日

4 月から 6 月にかけて複数のカテゴリで出荷が好調でした。多くの業界では、成長の勢いを維持するために AI 機能への期待が高まっています

文責:Jacob Schindler

これは「Sisvel Insights Market Data Digest」の第 1 号であり、今後は主要な標準必須特許(SEP)ライセンス分野に関する商業情報を定期的にまとめてお届けします。この記事の目的は、特許ライセンス担当の経営幹部を対象に、コネクテッドデバイス市場における商業的および競争的な動きについて理解を促すことにあります。このダイジェストは、第三者による公開情報のみを利用しており、リンクを通じて元のソースから全文をお読みいただけます。スマートフォンのようにデータが豊富な分野については、四半期ごとに取り上げます。その他のセクターは、新しいデータが公開された時点でお伝えします。

第 2 四半期には、ほとんどのインターネット接続機器カテゴリで前年同期比で成長が見られました。好材料となったのは、中国のスマートフォン市場であり、現地ブランドの存在感がさらに増しています。中国では消費者信頼感が長らく低迷しており、多くのデバイス市場の重荷となってきました。そのため、同国の回復の兆しに対するアナリストの注目が高まっています。

そのほか、2023 年の IoT 市場に関する年間データが過去 2 ヵ月間で公表されており、以下に要約します。また、PC およびタブレットの世界的な出荷状況についても取り上げます。一方、Wi-Fi 分野では現状の分析と Wi-Fi 7 普及の契機となりうる要素についても取り上げます。

セルラー IoT:NB-IoT は低消費電力広域通信網(LPWAN)市場で首位のシェアを維持

3 つの調査機関が、2023 年の低消費電力広域通信網(LPWAN)技術の市場動向に関するデータを最近公表しました。

Omdia は NB-IoT を 世界の LPWAN 市場のリーダーと明確に位置づけました。その根拠は、中国市場におけるスマートメーターおよびスマートシティソリューションでの圧倒的な優位性にあります。2023 年には、NB-IoT 接続数は約 7 億件に達しました。LoRa は 2023 年に約 4 億件の接続数を記録し、NB-IoT に次ぐ競合技術として、中国以外の市場ではトップのシェアを誇っています。この 2 技術だけで、昨年の LPWAN 接続全体の 87% を占めました。Omdia のアナリストは、NB-IoT が今年、欧州で勢いを増すと予測しており、Wi-SUN や Mioty といった新興技術の浸透も進んでいると指摘しています。

IoT Analytics は、2023 年における世界のセルラー IoT 市場に関する データ を公開しました。これには、NB-IoT や LTE-M のような LPWAN ソリューションだけでなく、LTE Cat 1 bis や 5G などのセルラー技術も含まれます。同レポートによると、2023 年にはセルラー IoT 接続が 36 億件に達し、移動体通信事業者にとっては 150 億ドルの収益をもたらしました。最も恩恵を受けたのは中国の大手通信 3 社でした。通信事業者の収益が 23% 増加したのに対し、セルラー IoT モジュールベンダーは出荷量が減少し、売上高は 10% 減少しました。

Berg Insights の別の レポート でも、世界のセルラー IoT 接続数および通信事業者の収益について、同様の数値が示されました(下記参照)。また、2028 年までにセルラー IoT デバイスが 60 億台に増加し、通信事業者の収益は 210 億ユーロに達すると予測されています。中国のトップ通信事業者である China Mobile は、2023 年に驚異的な 13 億 2,000 万件のセルラー IoT 接続を有していました。欧米の事業者では、Vodafone が 1 億 8,400 万件で首位、次いで AT&T が 1 億 2,800 万件となっています。

2023 Global Cellular IoT Data

出典データ: Berg Insight | IoT Analytics

Wi-Fi の進化が進行中

Wi-Fi は、最終版の Wi-Fi 7 規格の公表が迫る中で、大きな転換点を迎えようとしています。

IDC の昨年の 世界予測 では、2024 年には Wi-Fi 対応デバイスの出荷台数が 41 億台に達すると見込まれています。Wi-Fi 7 準拠製品の認証は始まっているものの、最新技術を搭載した製品はまだごく一部に限られています。IDC は、2024 年の Wi-Fi デバイス全体の出荷のうち、Wi-Fi 7 が 5.7% を占めると予測しています。

IDC による 2024 年のその他の予測では、Wi-Fi 6E デバイスの出荷が 5 億 7,600 万台以上(多くの国で新たに開放された 6GHz のライセンス不要周波数帯で動作可能)、Wi-Fi 6E アクセスポイントが 1 億 4,700 万台、Wi-Fi 7 アクセスポイントが 2,300 万台と見込まれています。

一部の観測筋は、iPhone における Wi-Fi 7 初搭載が、次世代技術の本格的な普及を促す契機になると見ています。9 月に予定されている新型 iPhone の発売は注目を集める見込みで、iPhone 16 Pro が Wi-Fi 7 に対応するとの 憶測 もあります。

ハイエンドスマートフォンは次世代 Wi-Fi の普及を大きく後押しすると見られていますが、最新の規格が車載用途などに広がるには相応の時間がかかると、最近の Sisvel Insights の 記事で説明されています。

タブレット市場が好調な四半期を記録

世界のタブレット出荷台数は第 2 四半期に約 20% 増加し、3,400 万台を超えました。アナリストは、この好調な四半期を、パンデミック中の異常な販売急増を経て、市場が安定した成長軌道に戻りつつある兆しと見ています。

Apple は iPad シリーズによってこの分野をリードしており、OLED 画面などの技術を活用して高価格帯での限界に挑み続けています。中国勢の Huawei や Xiaomi も急成長しており、中国や他の主要市場で低価格帯製品を展開することでカテゴリ自体を拡大しています。

Q2 Tablet Shipments

出典データ: Canalys | IDC

PC 市場、AI の影響を見据えた動き

PC 市場は第 2 四半期に好調で、ノート PC とデスクトップ PC を合わせた世界出荷台数は 6,000 万台を超えました。IDC によると、中国を除いた世界の出荷台数は前年比で 5% 増加しました。

市場シェア上位 4 社は、Lenovo、HP、Dell、Apple であるというのが一般的な見方です。IDC および Gartner は第 5 位に Acer を挙げていますが、Canalys は Asus を第 5 位としています。いずれの台湾企業も第 2 四半期は好調で、2 桁成長を記録しました。

AI 機能を統合した PC がこの分野に変革をもたらすことへの期待が高まっています。このような PC 向けにチップを展開する Qualcomm、Intel、AMD に注目が集まっています。さらに、Microsoft は 2025 年 10 月に Windows 10 のサポートを終了する予定であり、これが今後 1 年間の企業向け需要を引き続き後押しすると見られています。

Q2 PC Shipments

出典データ: Canalys | IDC | Gartner

世界のスマートフォン市場:回復基調が加速

スマートフォン市場全体は、3 四半期連続で堅調な前年比成長を記録し、2024 年の回復に向けた勢いを強めています。

主要なデータプロバイダの中で最も低い成長率(6.5%)を 報告 した IDC は、需要が完全には正常化しておらず、多くの地域で依然として弱さが見られると警告しました。また、価格帯の二極化が進んでおり、超高級機と低価格機が中価格帯のモデルを圧迫していると指摘しています。それでも、平均販売価格(ASP)は上昇を続けており、生成 AI がプレミアムモデルへの統合が進む中で、次の大きなアップグレード要因になるとアナリストは予測しています。

Canalys は第 2 四半期について最も楽観的な見通しを示し、 報告によれば、 出荷台数は前年比 12% 増となりました。ただし、2024 年後半には部品コストの上昇により、携帯電話メーカーは苦戦するとし、通年での 2 桁成長は難しいとの見方を示しています。

第 2 四半期における出荷台数トップは Samsung で、5,300 万台を超えました。Apple は約 800 万台差で続いており、3 位の Xiaomi は iPhone メーカーとの差を着実に縮めつつあります。Oppo、Vivo、Transsion は 2 番手グループに位置しており、それぞれの出荷台数は 2,500 万〜2,600 万台です。

2024 年上半期の全体出荷のうち、5G 対応端末は 3 分の 2 を占めました。 Counterpointによると、400 ドルを超えるデバイスはすべて 5G 対応である一方で、世界の出荷台数の約 16% を占める 100 ドル未満のスマートフォンには、5G チップセットが搭載されていないとのことです。市場の大半はこの 2 つの価格帯の間に位置しており、5G 対応状況はまちまちです。総じて、先進国では 5G はすでに「過去の話」になりつつありますが、中南米、インド、中東、アフリカでは、なお成長余地が大きいといえます。

Q2 Global Smartphone Data

出典データ: Canalys | | IDC | Omdia

中国のスマートフォン市場:国内ブランドが主導

中国のスマートフォンメーカーにとって、節目となる四半期でした。Apple はトップ 5 から陥落し、中国ブランド 5 社、Vivo、Huawei、Oppo、Honor、Xiaomi にその座を明け渡しました。

中国のスマートフォン市場は、長引く消費者心理の低迷によって足踏みが続いていましたが、 Canalys によると、第 2 四半期は転換点となり、中国は「ようやく世界全体の回復スピードと足並みがそろった」としています。前年比成長率は 6% から 10% の範囲と見積もられています。IDC のデータでは、中国市場は世界平均を上回る成長を示しました。

Vivo は第 2 四半期に約 1,300 万台を出荷し、総合首位となりました。Huawei は最も急速な成長を遂げ、アナリストによれば前年比 40〜50% の改善を記録しました。その他 Oppo、Honor、Xiaomi がトップ 5 社です。中国ブランド間の競争は下半期も激しく続く見通しで、各社の生成 AI 製品の投入や Huawei の新 OS 発表が購買判断を左右する要因となりそうです。

China Smartphone Data Q2

出典データ: Canalys | | IDC

インドのスマートフォン市場:Xiaomi が低調な四半期で再び首位に

アナリストらは、インドのスマートフォン販売にとって期待外れの四半期であったとの見解で一致しました。一部地域での異常気象やその他の季節要因が影響し、前年比では Canalysによると 1% の成長、Counterpointによると 2% の減少と報告されました。

ただし、プレミアムモデルに焦点を当てると、成長はより良好です。Counterpoint によると、出荷台数のうち 77% が 5G 対応機種であり、過去最高を記録しました。超高価格帯(45,000 インドルピー(約 540 ドル超)のセグメントは、前年比で 24% 増加しました。

Xiaomi はフラッグシップモデルに注力した成果により、Vivo を僅差で上回り、総合販売台数で再び首位の座を獲得しました。Samsung は販売台数ベースでは第 3 位に後退しましたが、Counterpoint によれば、端末の金額ベースでは 24.5% の市場シェアで首位を維持しており、以下は Vivo(16.8%)、Apple(16.3%)、Xiaomi(10.8%)、Oppo(10.1%)の順となっています。

第 3 四半期初頭の動きとして、プレミアムスマートフォン市場をさらに活性化させると見られるのが、インド政府による関税の引き下げ計画であり、2024 年度予算の一環として携帯電話の関税を 20% から 15% に引き下げると発表しました。 Canalysによると、この施策により、Apple や高価格帯の Android ブランドが価格を引き下げる好機が生まれると見られています。

中南米のスマートフォン市場:激しい競争により平均販売価格(ASP)が下落

Canalys の 報告書 によれば、中南米のスマートフォン出荷台数は 3 四半期連続で前年比 20% 増となりました。Motorola はこの市場で第 3 位の地位にあり、Lenovo 傘下ブランドとしての地域における強さを示しています。しかし、第 2 四半期には Xiaomi が世界各地で急速に台頭し、これを追い越しました。Canalys のアナリストによると、OEM 間の激しい競争が、平均販売価格(ASP)を 2021 年以来の最低水準に押し下げたとされています。

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