貿易不確実性の中で、コネクテッドデバイス市場に重くのしかかるコストの懸念
予測不可能な環境下でデバイス購入者が価値を求めている一方で、メーカーは予算をコントロールしようと努めています
最新のデータによると、世界貿易の見通しを予測できない状況がコネクテッドデバイス市場に影響を及ぼしており、特に世界経済の二極である米国と中国への影響が顕著です。
中国では、補助金で需要喚起を行う政策当局の手法が限界に達し、スマートフォンの出荷が縮小しています。アナリストによると、携帯電話会社は極めて慎重にコストの監視を行っていますが、一方で第 2 四半期において最も好調だったのは、価格重視の消費者に訴求する中価格帯の製品を展開したブランドでした。
他方、PC 市場は世界の他の地域では着実な成長が見られるものの、米国では不確実性が購買決定に影響を与えています。
しかしながら、Wi-Fi エンタープライズアクセスポイントやセルラー IoT モジュールなど、インフラとサービスへの長期投資が中心となる市場では、成長が続いています。
こうした市場を綿密に追跡している専門家による最近のデータと分析をいくつか見てみましょう。
Wi-Fi:エンタープライズアクセスポイントは年間 2 桁の成長
IDC によると、エンタープライズ向け Wi-Fi 機器は 2025 年第 1 四半期に前年同期比 10.6% の成長を記録しましたが、ネットワークベンダーの売上高は好調だった第 4 四半期の後、前年四半期比で減少しました。
Wi-Fi 6E 搭載デバイスは、依存型アクセスポイントの売上高の 32% を占め、新規格である Wi-Fi 7 も 11.8% に達するほどの貢献を見せています。米国市場は 20% を超える堅実な成長を記録しましたが、中国は前年比で縮小しました。
Cisco は依然として圧倒的なシェアを維持しています。第 1 四半期に Cisco とともに最も急成長を遂げた企業は、同じく米国に拠点を置くベンダーの Ubiquiti でした。
さらに詳しい情報:IDC Worldwide WLAN Tracker によると、エンタープライズ WLAN 市場は 2025 年第 1 四半期に 10.6% 成長
セルラー IoT:モジュールの出荷が急増し、Quectel が圧倒的なリーダーに
セルラー IoT モジュールの出荷が 5 四半期連続で増加しており、2023 年に業界を悩ませた在庫過剰からの回復を見せています。
中国の Quectel は市場シェアが約 40% で、圧倒的なシェアを維持しています。
スイスに拠点を置く u-blox は今年初めにセルラー IoT 市場から撤退し、西側諸国の企業にとって厳しい商業環境になっていることを浮き彫りにしました。欧米のベンダーにとっては、8 月 1 日に発効された EU 無線機器指令が、市場参入のチャンスとなる可能性があります。この指令により、コンプライアンスを徹底した透明性のある企業にビジネスチャンスが生まれるようになります。
IoT Analytics のレポートによると、LTE Cat 1 bis は、その費用対効果と導入の容易さから、この分野の成長を牽引しています。5G Redcap を含む 5G ソリューションも堅調な成長を見せており、Counterpoint は監視カメラ、スマートグラス、ルーター、MiFi デバイスでの採用が大幅に増加していると指摘しています。
さらに詳しい情報:
2025 年第 1 四半期のセル ラー IoT 市場:モジュール出荷量 23% 増
2025 年第 1 四半期のセルラー IoT モジュール出荷台数は前年比 16% 増
タブレット:小規模メーカーの進出
タブレット市場は 6 四半期連続で、前年同期比での成長を記録しています。Apple と Samsung は依然として最大手ですが、教育用途やより手頃な価格帯の製品が新興市場での普及を牽引するなか、他のブランドもさまざまな戦略で躍進しています。
「タブレットはサブデバイスとして機能することが多く、消費者はデバイスの正規価格を支払うよりも、セールを待つことを好む場合のほうが多いのです」と、IDC のアナリストである Anuroopa Nataraj 氏は述べています。
新興メーカーの 1 つである Xiaomi は、新しいタブレットラインナップを、スマートフォン、家電、電気自動車を網羅する IoT エコシステムの中心的存在と位置付けています。ゲーム機もまた重要なセグメントです。
さらに詳しい情報:
Canalys Newsroom -世界のタブレット出荷台数は第 6 四半期に増加、Chromebook の需要は 2025 年第 2 四半期に回復
IDC によると、関税導入前の製品刷新と在庫積み増しにより、第 2 四半期のタブレット市場は 13.1% 成長
PC:米国は他国と 乖離
データプロバイダ各社は、2025 年第 2 四半期の PC 市場が前年比 6.5% から 8% の成長を記録したという点で一致しています。米国とその他の国の間に乖離が見られます。米国の購入者は依然として関税をめぐる不確実性に悩まされている一方、世界のその他の地域では成長が加速しています。
第 2 四半期のデータから得られるその他のポイント:
Lenovo、Apple、Asus が最も急成長しているブランド
Windows 10 のサポート終了に伴い、企業や教育機関による購入が市場を支えている
アナリストの予測では、コロナ禍におけるデバイスの買い替えと AI 搭載 PC への関心の高まりにより、2026 年は PC にとって好調な年になる
さらに詳しい情報:
IDC によると、第 2 四半期の PC 出荷台数は堅調を維持しており、ベンダーが関税期限に先んじる動きをしていることを示している
Canalys Newsroom - 2025 年第 2 四半期における世界各国の PC 出荷台数は 7% 増
2025 年第 2 四半期の世界中の PC 出荷台数:成長が加速、関税懸念が迫る
スマートフォン:中国市場の減速で Oppo/Vivo がシェア低下
世界のスマートフォン市場は依然としてやや低迷しています。あるデータプロバイダ(Canalys)は出荷台数が縮小 したと評価しましたが、他のプロバイダは前年比 1~2% の成長が見られると評価しました。
重要な点は、スマートフォン企業が市場環境への対応としてコスト意識を非常に高めていることだと、Canalys の Sheng Win Chow 氏は述べています。「厳格なコスト管理と最適化された企業資源計画は、あらゆる主要ベンダーにとっての優先事項です。過去の高い目標を 2025 年の現実に合わせて調整する必要があるからです。」
Canalys はまた、先進国経済圏が消費者心理の低迷に苦しむなか、特許対象範囲が一般的に小さいアフリカ・中東地域が全体的な成長を支える市場となっていると報告しました。
TechInsights のレポートによると、スマートフォンの卸売平均販売価格は前年比でほぼ横ばいの 309 ドル(0.5% 上昇)を維持しました。
明るい兆しの 1 つは Samsung で、ミッドレンジの Galaxy 端末が牽引してくれたおかげで、前年比 7~8% の成長を遂げました。
上位 5 社以外では、第 2 四半期に急成長を遂げた 2 社が目立ちました。Counterpoint によると、Lenovo の Motorola ブランドは、インドでの好調な業績と米国プリペイド市場におけるシェア拡大により、16% の成長を遂げました。
一方、英国に本社を置くスタートアップ企業で、OnePlus の共同創業者である Carl Pei 氏が率いる Nothing Technology は、インド市場への投資が牽引役となり、四半期で初めて出荷台数が 100 万台を超え、前年同期比 177% の成長を記録しました。
IDC によると、中国は第 1 四半期の目立った成長から一転して、第 2 四半期には世界市場を押し下げる要因となりました。補助金政策が「需要を刺激できなかった」ため出荷台数が減少しました。Huawei は 2021 年以降初めて自国市場の販売ランキング首位を奪還しました。また、コストパフォーマンス重視の消費者層に支えられ、Xiaomi も好調を維持しました。Vivo と Oppo は苦戦し、中国市場で大幅なシェアを失いました。Counterpoint の集計によれば、世界市場でも同様の傾向が見られました。
さらに詳しい情報:
Canalys Newsroom -関税と需要停滞に対応するベンダーの影響で、第 2 四半期における世界のスマートフォン市場は小幅減
IDC によると、世界的な不確実性と中国での需要低迷にもかかわらず、2025 年第 2 四半期における世界のスマートフォン市場は 1.0% 成長
先進国市場の成長を受け、2025 年第 2 四半期における世界のスマートフォン出荷台数は前年比 2% 増。Samsung が首位を維持
2025 年第 2 四半期における世界のスマートフォン市場は前年比で 4% 成長 | TechInsights
IDC:中国のスマートフォン市場は 2025 年第 2 四半期において 4.0% 減、Huawei が首位奪還
「Sisvel Insights Market Data Digest」は、主要な SEP ライセンス業界の商業的情報をまとめた定期的な特集です。この記事の目的は、特許ライセンス担当の経営幹部を対象に、コネクテッドデバイス市場における商業的および競争的な動きについて理解を促すことにあります。このダイジェストは、第三者による公開情報のみを利用しており、リンクを通じて元のソースから全文をお読みいただけます。豊富なデータが利用可能な業種(スマートフォンなど)は、四半期ごとに扱います。その他のセクターは、新しいデータが公開された時点でお伝えします。







