米国地方裁判所はパテントプールの FRAND 料率を設定する権限を有しない

カテゴリ
ライセンスに関する見解
日付
2025年7月24日

マサチューセッツ州の判事がパテントプールのグローバル FRAND 料率設定の要請を明確に却下。米国連邦裁判所としては初の却下判決か

7 月 22 日、マサチューセッツ州連邦地方裁判所の Richard G Stearns 判事は、連邦裁判所ではパテントプールの FRAND 料率を設定できないと判決を下し、米国裁判所による FRAND 関連の判決としては異例の判決となりました(Roku Inc v Access Advance LLC et al(D. MA.1:24-cv-13217-RGS))。

この判決は、Roku/Sun Patent Trust(SPT)/Dolby 対パテントプール管理者 Access Advance との係争に端を発するものです。Dolby と SPT が UPC(統一特許裁判所)に侵害訴訟を提起し、Roku が UPC 原告と Access Advance をマサチューセッツ州連邦地方裁判所に提訴しました。

Roku は、UPC で訴訟中の特許に関して米国内で特許を侵害していないことの宣言を求め、さらに SPT、Dolby、Access Advance が求めていた二国間ライセンスおよびパテントプールライセンスのロイヤリティ料率が FRAND ではない旨の宣言を求めました。また、Roku は、二国間ライセンスとパテントプールライセンスの両方に対して FRAND 料率を設定するよう裁判所に求めました。

裁判所は、SPT と Dolby の訴えを人的管轄権の欠如を理由に却下した後、Access Advance のライセンスに対して FRAND 料率を設定するよう求める Roku の訴えを検討しました。裁判所は、パテントプールのポートフォリオに含まれる特許は米国以外の特許の割合が高いこと、FRAND 料率に関するいかなる意見も助言的であり拘束力を持たないことから、そのような裁定を行う管轄権を有しないとして、訴えを退けました。

私たちの知る限り、パテントプールライセンス料率の設定請求が明確に却下されたのは、米国裁判所の判決としては初めてのことでしょう。イングランドおよびウェールズの控訴裁判所でも、Tesla が Avanci パテントプールの FRAND 料率設定を請求し却下されましたが、今回 の Roku の却下は Tesla に続く却下判決となります。Tesla に関しては、その後この判決に対して控訴し、6 月末に英国最高裁判所が 5 つの根拠のうち 4 つの根拠に基づき、この申し立てを認めました。この訴訟は来年審理される見込みです。

中国の最高人民法院では、米国や英国の現行の判決とは異なり、下級裁判所が Access Advance パテントプールにグローバル FRAND 料率を設定するとの判決を下したことに対し異議を唱えず、訴訟はすでに和解しています。

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