Nokia が 15 億ユーロのライセンス収益目標を設定、米国標準必須特許(SEP)訴訟で Samsung に損害賠償判決、ETSI の新事務局長が選出、ホールドアウト問題を語る時が来た、など
Sisvel Insights 週刊まとめニュースの最新号へようこそ。この 7 日間で目に留まった SEP の世界に影響するニュース、分析、データポイントをまとめてお届けします
世界の主要なモバイルデバイスメーカーとのライセンス更新契約を完了した Nokia は、今後数年でランレートを 15 億ユーロまで引き上げるべく、新たな分野に注力していく方針です。これは、2024 年第 1 四半期の財務報告を発表した際に、CEO の Pekka Lundmark 氏が語った内容であり、今年最初の 3 ヵ月間でロイヤリティ収入が大きく増加したことが示されています。
また、米国テキサス東部地区でのワイヤレス SEP 訴訟における損害賠償の再審では、Samsung に対する賠償額が 1 億 4200 万ドル超に倍増しました。一方、ETSI の現職事務局長は、元 Ericsson 副社長の Jan Ellsberger 氏にその座を譲りました。
また、シズベル発のオピニオン記事 2 本にもご注目ください。ホールドアウトの危険性に関する記事と、パテントトロールと不実施主体を同一視することの不誠実さに関する記事です。
以下に紹介する記事は、内容に賛同しているためではなく、指摘する価値がある注目すべき情報と思われるため取り上げていることをご了承ください。
法務関連
G+ Communications と Samsung の間で争われていた無線 SEP 訴訟における損害賠償の再審にて、陪審員は原告への 賠償額を従来の 2 倍以上となる 1 億 4,200 万ドルに引き上げました。 Samsung、無線特許訴訟で 1 億 4,200 万ドルの支払い命令と陪審団が判断 | Reuters
ドイツのルーター市場でトップを占める AVM が、Huawei の WiFi 6 標準必須特許(SEP)のライセンス取得に同意し、両社間で長期にわたって続いていた訴訟に終止符が打たれました。 AVM、Huawei の WiFi 6 標準必須特許をライセンス取得ドイツの WiFi ルーター大手、訴訟を和解 ― ip fray
Dolby は、Opus オーディオコーデックに関する標準必須特許(SEP)の侵害を主張し、トルコの家電メーカー Arçelik AŞ に対して統一特許裁判所で訴訟を起こしました。 Dolby、音声 SEP 侵害をめぐりトルコのテレビメーカーを統一特許裁判所で提訴 ― IAM(iam-media.com) [有料記事]
米国のビデオテクノロジー企業 DivX は、HEVC 関連の標準必須特許(SEP)に関する紛争で、ブラジルの Hisense/Toshiba に対する暫定差止命令を獲得しました。 DivX、HEVC 関連特許をめぐり Hisense/Toshiba に対する仮処分をブラジルで獲得 ― ip fray
マーケット
Nokia Technologies がモバイルデバイスに関するライセンス更新サイクルを完了したことを受けて、Nokia の CEO である Pekka Lundmark 氏は、今後は IoT、マルチメディア、コンシューマーエレクトロニクスといった成長分野に注力し、「中期的には年間ライセンス純売上のランレートを 14 〜 15 億ユーロに引き上げることを目指す」と述べました。 5G ライセンス更新により、Nokia Technologies の売上が急増 ― IAM(iam-media.com) [有料記事]
Apple は 2024 年第 1 四半期に iPhone の販売台数が 10% 減少し、世界のスマートフォン市場で首位の座を Samsung に明け渡しました。中国企業の Xiaomi、Transsion、Oppo がトップ 5 となりました。 Apple(AAPL)の iPhone 出荷台数が 10% 減少、Android スマートフォンが増加 ― Bloomberg
政策関連
元 Ericsson 副社長の Jan Ellsberger 氏が、ETSI の新事務局長に選出されました。接戦となった第 3 次投票で、2011 年から現職だった Luis Jorge Romero 氏を破っての当選となりました。 スウェーデン出身の Ellsberger 氏、標準化機関 ETSI の新代表に選出 | Euronews
アイルランド政府は、6 月 7 日に予定されていた統一特許裁判所制度への参加に関する国民投票を延期しました。 新たな実施日はまだ提案されていません。 政府が統一特許裁判所に関する国民投票を延期 ― DETE(enterprise.gov.ie)
米国特許商標庁(USPTO)は、現在の PTAB 審査方針や運用の多くを法制化する提案を発表しました。ただし、この提案は当初検討されていた案よりも簡略化されています。 USPTO が PTAB の変更に関する待望の新ルール案を公表(ipwatchdog.com)
見解と分析
世界各国の裁判所は、FRAND 関連紛争におけるライセンス取得の意思がない実施者による不誠実な交渉引き延ばし戦術を問題視しています。こうした行為が引き起こすさまざまな負の側面を考えると、裁判所の指摘は非常に重要です。政策立案者もこの問題に注目すべきです。 シズベル | ホールドアウトについてさらなる議論が必要
不実施主体とパテントトロールを同一視する人々は、意図的に事実を歪曲しています。これは米国で成功した戦略であり、今や欧州で も用いられています。誠実な議論を信じるすべての人が拒絶すべきことです。 シズベル | パテントトロールは欧州だけの問題ではない
