知的財産が、欧州のイノベーションによる巻き返しを促進する
シズベルとイタリアの Antonio Trevisi 上院議員がローマでハイレベル政策フォーラムを開催。EU の技術ダイナミズムを高める実用的なアイデアが発表されました
先月下旬、欧州の最も差し迫った戦略的課題の一つである「グローバルイノベーション経済における競争力の低下」に対処するため、ローマのイタリア共和国上院 Giovanni Spadolini Library に主要政策立案者や業界リーダーが集まりました。
この会議は Antonio Trevisi 上院議員が発案し、シズベルが組織的支援を行いました。
会議は「イノベーション、知的財産、イタリア製品:イタリアと欧州が抱える、競争力の国際的課題」の議題で、政府、学界、研究部門、産業界の代表者の間で率直な対話が促されました。
緊急の行動喚起
出席者全員が、課題についての共通理解を共有しました。欧州全体、特にイタリアは R&D 投資の不足や特許化率の低迷をはじめ、研究を商業化する機会が限られ、苦境に陥っています。会議の参加者が担う任務は、欧州とイタリアが巻き返すための具体的かつ実行可能な戦略を立てることでした。
重要な産業分野で欧州の地位が弱まることに対する懸念が高まっていることは、イタリアにルーツを持つ欧州企業としてシズベルも認識していました。欧州の競争力に関するドラギレポートは画期的で、これらの問題について説得力のある枠組みが示され、緊急に行動する動機付けとなりました。
会議はローマのイタリア共和国上院 Giovanni Spadolini Library で開催された
WIPO が発表した「グローバル・イノベーション・インデックス 2025」の調査結果など、会議で発表されたデータは、技術進歩の重心が欧州以外の場所へと決定的にシフトしているという厳しい現実を示すものでした。特に中国や米国のイノベーション拠点は、持続的な研究開発投資、画期的技術の迅速な工業化、高度な知的財産価値の創造戦略を促進し、優れた役目を果たしています。
会議は、このギャップに対処するために開催され、規制当局、イノベータ、業界の 3 つの領域を中心に構成されたものでした。
官民の対応が必要
欧州が抱える競争力の課題は大規模に及び、地方組織、各国政府、研究機関、企業など、利害関係者間での緊密な連携が必要になります。
どの組織からも、主要リーダーが会議に出席しました。
シズベル行政担当エグゼクティブアドバイザーの Matteo Sabattini が会議で演説
会議の主導役となったのは、イタリア政府と国際機関の代表者でした。イタリアの企業・製造省、イタリア競争当局、イタリア最高裁判所、統一特許裁判所、WIPO の代表者が全員参加しました。
R&D 部門からは、イタリアの多数の大学を代表する技術移転コンソーシアム「Netval」と、Genoa に拠点を置く公共研究センター「イタリア技術研究所」からの参加者が見られました。業界からは Ericsson、Pirelli、Iveco、Edra、シズベルの上級幹部が参加しました。
イタリア競争当局 Chief of Staff の Giovanni Calabrò 氏は「イノベーションと競争は相反するものではなく、互いに補完し合う 2 つの力である」と述べ、「独占権がイノベーションの障害となる場合にのみ」介入が 必要であるとコメントしました。また、革新的な市場に影響を与える可能性のある広範な M&A 取引をイタリアの規制当局が審査できるようにするための新たな法改正についても論じました。
頭脳流出に立ち向かう
イタリアに技術的な才能のある人材がいないわけではありません。WIPO の Giovanni Napolitano 氏はデータを提示して、最先端の科学研究に関しては、自国をはるかに上回るような相手と競争していることを説明しました。また、イタリアでは、さまざまな地域が技術、製造、工業のさまざまな分野に特化して、経済が非常に多様化しているという強みがあります。
しかしながら、大規模かつ世界的に競争力のあるテクノロジーリーダーを生み出せるほどの強みには至っていません。根強い問題の 1 つに頭脳流出が挙げられます。優秀な人材は、潤沢な研究資金、確立されたベンチャーキャピタル、ハイテクインフラ、合理化された規制構造を持つ市場に引かれる傾向があります。Ericsson の Antonio Sfameli 氏は、人材維持は競争戦略において必須の焦点であると述べ、その理由として「イタリアを成長軌道に戻せるのは熟練した労働力だからです」とコメントしました。
Telecom Italia の Luigi Licciardi 氏もこれに賛同し、研究力のある人材の流出に歯止めをかけるべきとする主張を述べました。さらに、欧州の企業は、国境を越えた連携で競争力を高めていった中国の成功を見習って、防衛的な考え方を克服し、よりグローバルなパートナーシップを追求していく必要があると付け加えました。
IP の役割
幅広い議論であまり言及されませんが、解決策の一つとして、シズベル社長の Mattia Fogliacco が述べた「知的財産の持つより成熟した文化」の必要性が挙げられます。これには、基礎的な研究だけでなく、技術移転やライセンス供与への支援も含まれます。
シズベルの Mattia Fogliacco が発言
これらのビジネスモデルは、世界の主要な技術拠点を動かす原動力となるものの軸です。これらは、法体系に組み込まれるだけでなく、研究者、学者、ビジネスリーダーの考え方の基礎にもなります。
さらに、Fogliacco 氏は以下のように語ります。
何よりも、イノベーションを適切に守り、安定的に行なえば、技術の進歩を加速させ、社会の発展を促進する大きな経済的利益を生み出すことができることを理解しておく必要があります。これが、世界の主要拠点に競争力をもたらすメカニズムであり、知識経済において持続可能な未来を築くためにイタリアも取り入れていかなければならないモデルなのです。
次のステップ
議論は終日行われましたが、現実的かつ充実した内容となり、政策や投資に関するさまざまなアイデアが生まれました。そして、継続的なエンゲージメントに向けたロードマップが明確になりました。現在、シズベルでは、Trevisi 上院議員の事務所と緊密に協力して、最も実行可能な提案を明示した公文書に取り組んでいます。今後、すべてのパートナーと連携して、これらのアイデアが欧州のイノベーション政策対話に組み込まれるようにしていきます。
当社は、欧州最大の最も歴史あるパテントプール運営企業として、特許、イノベーション、技術的リーダーシップ の相互作用に関するインサイトを共有していくことを約束してまいります。当社ならいつでも、政策立案者と連携し、組織的なリソースを提供して、欧州を経済競争力トップの地位に復活させる取り組みを支援できます。





