EU がグリーンテクノロジー企業の標準必須特許のロイヤリティ料率引き下げを検討、Nokia が中国で初の自動車関連ライセンス契約を締結、英国とドイツで FRAND 判決、InterDigital の利益が急増、など
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EU による標準必須特許(SEP)ライセンス規制案が、欧州委員会による特許市場介入の足がかりになるのではと懸念している方々にとって、先週金曜に公開された「ストレステスト」報告書はさらなる不安材料となったことでしょう。報告書で想定されたシナリオには、グリーンテクノロジーで使用される特許に対してロイヤリティ料率の引き下げを義務付けるシナリオと、グリーン規格のロイヤリティを無償とするシナリオが含まれています。市場規制が始まると、境界線が際限なく引き下げられる、と結論づける人も多いでしょう。
そのほかにも、Nokia が中国で初の自動車関連ライセンス契約を締結したというニュースや、ドイツでの Samsung に対する判決、英国で進行中の Lenovo との FRAND 訴訟で Ericsson が不利な判断を受けたという報道もありました。 一方で InterDigital は、研究開発およびライセンス事業が非常に好調だった 2023 年の年次報告書を公開しました。
以下に紹介する記事は、内容に賛同しているためではなく、指摘する価値がある注目すべき情報と思われるため取り上げていることをご了承ください。
法務関連
ドイツのミュンヘン地方裁判所は、中国 Datang Mobile が提起した 4G 標準必須特許(SEP)訴訟において、韓国の Samsung をライセンス取得の意思がない実施者と認定し、同社の FRAND 抗弁および独占禁止法に基づく反訴を退けました。 Datang、Samsung との 4G SEP 侵害訴訟で勝訴 ― JUVE Patent(juve-patent.com)
中国の最高人民法院知財法廷は、2022 年 12 月に判決が下された事例を取り上げ、FRAND 交渉における当事者の行動を損害賠償額や差し止めによる救済の判断にどの程度考慮すべきかに焦点を当てています。 中国 Iwncomm 対 Apple 訴訟、SEP ライセンス交渉で注目すべきポイント ― Bird & Bird(twobirds.com)
NEC は、Access Advance HEVC パテントプールの最新メンバーとして、中国企業 TCL を統一特許裁判所に提訴し、特許侵害訴訟を開始しました。 NEC、中国のテレビ大手 TCL を統一特許裁判所で提訴 ― IAM(iam-media.com) (有料記事)
Caltech は、米国テキサス州西部地区連邦地方裁判所において HP Inc. に対して起こしていた Wi-Fi 特許訴訟を取り下げました。同大学はこれまでに Apple、Samsung、Microsoft と Wi-Fi 特許に関する和解に達しています。 Caltech、Wi-Fi 特許を巡る HP との訴訟を解決 | Reuters
スペインの不実施主体である Ona Patents は、フィンランドのソフトウェア企業 Ekahua Oy が保有する Wi-Fi 関連特許の侵害を理由に、Apple および Google を統一特許裁判所に提訴しました。 Apple と Google、新興の欧州特許マネタイズ企業により統一特許裁判所で提訴 ― IAM(iam-media.com) (有料記事)
Ericsson は、英国イングランド・ウェールズ高等法院において、Lenovo によるグローバルなライセンス料率決定および FRAND 差止め請求を棄却させることに失敗しました。 Ericsson、Lenovo のグローバル FRAND 料率訴訟を英国裁判所で却下させられず ― IAM(iam-media.com) (有料記事)
マーケット
Nokia は最近、中国の自動車メーカーとの初の特許ライセンス契約を締結しました。この二社間契約は 4G および 5G 技術を対象としており、同社の IoT ライセンスプログラムを統括する Patrik Hammarén 氏が LinkedIn に投稿しています。 投稿 | フィード | LinkedIn
ドイツの Diehl Metering が、4G、3G、2G の携帯通信技術を対象とした Avanci スマートメータープログラムの最新のライセンシーであることが発表されました。 投稿 | LinkedIn
Oppo は、特許ポートフォリオ開発における成果をまとめたホワイトペーパーを公開し、自社の知財に関する 3 つの基本理念である、「イノベーションと保護」「能動的な防御に基づく戦略の追求」「健全なエコシステムの推進」について説明しています。 OPPO、創立 20 周年を記念し初の「イノベーションと知財に関するホワイトペーパー」を公開 | OPPO Global
InterDigital は 2023 年の年次報告書を発表しました。この報告書には、年間収益が 5 億 5,000 万ドルに達し前年比 20% 増となったこと、また継続的な収益が 4 億 800万ドルであったことが記載されています。 InterDigital ― 年次報告書および委任状関連資料
政策関連
欧州委員会による新たな資料では、提案されている標準必須特許(SEP)ライセンス規制に関して「ストレステスト」が実施されてお り、クリーンテック製品に実装される SEP に対してロイヤリティ料率を引き下げるシナリオや、グリーン規格をロイヤリティフリーとするシナリオが想定されています。 欧州委員会資料、クリーンテクノロジー SEP のロイヤリティ料率の引き下げとグリーン規格のロイヤリティフリー化を検討 ― ip fray
上海市浦東新区政府は、地域企業向けの一連の知財関連補助金を発表し、その中にはパテントプールに標準必須特許(SEP)を提供する企業に対して 50 万元の助成金が含まれています。 上海市、SEP プールの構築に補助金 ― China IP Law Update
見解と分析
米国では、除外命令の発行と広範な証拠開示制度が利用可能であることから、米国国際貿易委員会(ITC)が標準必須特許(SEP)保有者の訴訟戦略において重要な役割を果たしています。 SEP/FRAND Hub 2023/2024 ― IAM(iam-media.com)
