AV2 の登場に準備万端のシズベル
Sisvel Tech の専門家チームは、新しいコーデックである AV2 について、技術的なデューデリジェンスを 1 年近くかけて実施しており、完全な仕様のリリース時にはこの取り組みがさらに強化される予定です。関心をお持ちの方はぜひお早めに当社にお問い合わせください。
文責:Giovanni Ballocca および Enrique Valido
9 月に Alliance for Open Media(AOM)は、AV1 ビデオコーデックの後継である AV2 を年内にリリースする計画を発表しました。したがって、近日中には完全な仕様が公開されるものと考えられます。
前身の AV1 と同様に、AV2 は「ロイヤリティフリーの特許ポリシーの下で開発された」規格として市場に出されようとしています。しかし AV1 と同様に AV2 にも、そのポリシーに縛られない企業が発明して特許を取得した技術が組み込まれる可能性が高いと考えられます。
シズベルは、AV1 が「ロイヤリティフリーである」という誤った情報が広がる中、その是正に主導的な役割を果たしました。具体的には、コーデックに使用されている技術を所有する 21 社のイノベータを集めたパテントプールを形成し、契約上の義務はなかったものの、FRAND 原則と透明性の絶対的基準を順守する枠 組みを構築しました。その結果、AV1 完成品市場の 50% のライセンスを供与し、発明者に多額のロイヤリティをもたらしました。
当社は AV2 の展開時にも、過去 9 年間にこの分野で得た比類のない専門知識を活用して、同様に対応する準備を十分に整えています。
社内で研究開発、技術、規格を扱う当社独自の部門である Sisvel Tech の専門家チームは、AV2 のデューデリジェンスの実施を開始しています。その取り組みは仕様の公開とともにさらに加速する予定です。当社はすでに、ビデオ分野の主要なイノベータの多くと取引があります。プール化の取り組みに関心がある場合は、できるだけ早めに当社にお問い合わせください。
AV2 に関してわかっていること
9 月の発表以来、AOM に関係する開発者は、AV2 のアーキテクチャと実装されるコーディングツールについて説明する業界イベントで、技術的なプレゼンテーションを行っています。
加えて、AVM と呼ばれる AV2 の参照ソフトウェアは、現在は長期にわたって利用可能となっています。このソフトウェアは AV2 の実用プロトタイプまたは実験的テストベッドであり、エンジニアはさまざまなアイデアやツールをもとに実験を行っています。AV2 プロジェクトの完成が近づくにつれて、この参照ソフトウェアの安定性も向上してきています。言い換えると、設計の固定化が進み、今後大幅な変更はないと想定されます。こうした状況を見ると、最終的な仕様にどのような内容が盛り込まれるのか、かなり具体的な見通しを得ることができます。
この段階では、AV2 に抵触する特許を明確に特定することはできませんが、どの特許がほぼ確実に除外されるか、またどの特許が引き続き含まれる可能性があるかを判断することは、可能になりつつあります。
最終的な仕様がリリースされたときに、当社は細心の注意を払って対応することができます。
ただし、AOM に参加していない企業が開発した特許技術が AV2 によって使用される可能性は非常に高いと考えられます。ハイブリッドビデオの符号化と復号化、およびその標準化の分野では、過去 30 年にわたりイノベーションが絶え間なく続いており、共通の知識とアイデアが継承されてきました。その結果、同一のアーキテクチャに基づく「特許フリー」のコーデックを開発することは事実上不可能となっています。その意味では、こうした過去の技術的蓄積に依拠しない独自技術を開発しようとする取り組みは、ほとんど失敗に終わると言えるでしょう。
Sisvel Tech の独自の専門知識
コーデック技術は、シズベルのパテントプール管理の 40 年以上にわたる実績の中心であり、ビデオ圧縮は、Sisvel Tech の中核的な分野です。
AV1 および VP9 専用のプログラムを運営することで、シズベルとそのビデオチームは、AOM コーデックを扱ううえで比類ない専門知識を培ってきました。
これこそが私たちをほかと一線を画す存在にしています。多くの特許権者やライセンス管理者は、MPEG ファミリーに代表されるコーデック規格について、社内で十分な知識を有しています。また、特許権者も自身でこれら規格に積極的に貢献しており、必 須特許を着実に特定することができる体制を整えているケースが多くみられます。
しかし、AV2 のような独自の規格の場合、重要な課題が 2 つあります。第一に、専門家は仕様を理解するためにかなりの時間とリソースを割り当てなければなりません。第二に、どのツールが採用されているかを特定しなければなりません。
Sisvel Tech とライセンスチームは、過去 9 年間にわたり MPEG と AOM の両方のコーデックに深く取り組み、両者を「翻訳」するともいえる独自の機能を開発しました。これにより当社は、パテントマイニングからクレームチャート作成まで、他のプログラムではほとんど見られないレベルのサポートを特許権者に提供することができます。こうした専門知識こそが、当社の AV1 プールの成功の基盤でした。
特許権者は今すぐ行動を
当社は技術に関する高度な理解を背景に、すでに数社の特許権者と連携して、各社のポートフォリオのどの部分が AV2 に関連する可能性があるかの特定を進めています。
仕様がリリースされた際には、プールの開発に向けた本格的なプロセスが始動することになります。その中で、既存の AV1 プールポートフォリオのどの部分が AV2 に関連しているかを判断する取り組みに着手するとともに、関連する権利の有無について潜在的な新規パートナーのポートフォリオの評価を開始する予定です。
この取り組みが長期化することを避けるためにも、AV2 への関与を希望する特許権者の皆様には、今すぐ連絡していただくことが重要です。そうすることで、適切なタイミングで即座に対応できるようになります。
私たちはこの取り組みに着手でき ることを楽しみにしています。ぜひ当社の取り組みにご参加ください。
Giovanni Ballocca と Enrique Valido は Sisvel Tech のビデオコーディングの専門家です
