標準必須特許(SEP)の世界が IoT に軸足を移す中で、鍵となるのは「コミュニケーション」です。

カテゴリ
IoT
日付
2024年6月13日

シズベルは、特許やライセンスに不慣れな技術導入企業向けの教育キャンペーンに多大な投資を行っています。他の企業も同様の取り組みを行ってくれることを願っています 

文責:Sven Törringer 

先週、米国および英国の知的財産庁は、SEP 政策に関する新たな協力体制を築くことを 発表 しました。両国は協力して、「技術的相互運用性の規格を導入・開発しようとする中小企業に対する教育手法の模索」を進めていきます。  

これは称賛に値する目標であり、IoT 接続の急速な拡大により、より多くの小規模企業がライセンスのエコシステムに加わっているという認識を示すものです。  

シズベルも、IoT によってもたらされる大きな変化に対応するには、まず認識と教育が第一歩であるという点に全面的に同意します。企業の規模を問わず、セルラー接続の革新的な新しいユースケースを開発する企業は、 発明のループ が数十年にわたり通信分野のイノベーションを支えてきたことを認識する必要があります。 

しかし、産業界は政府がこの教育的責任を担うのを待ってはいられません。  

特許を障害物ではなく、「実現の手段」と捉えるのであれば、接続性によって新たな成長機会を得た業界が、規格とは何か、それがどこから生まれたのか、そして特許が規格の継続的な発展どのように支えているのかを明確に理解できるようにすることは、すべての関係者の責任です。 

シズベルの教育キャンペーン 

先週、シズベルは、このような情報を IoT 企業に届けることを目的とした新たな取り組みを発表しました。当社の プレスリリースこのキャンペーンは、特許、規格、ライセンス、パテントプールといった概念について、実務経験や専門的な法律の知識がない方々にもわかりやすく解説することを目的としています。  

また、特許を完全に無視した場合の潜在的リスクについても、警告書に見られるような法的な言い回しではなく、明快かつ実務的なビジネスの言葉で説明しています。 

この情報は専用ウェブサイト上に掲載しています ― www.iotpatentpool.com ― また、IP 業界内にとどまらず、起業家がビジネス上の課題や解決策を議論する場にまでリーチを広げ、IoT コミュニティへの周知を図るために多大なリソースを投入しています。  

この取り組みは、まだ始まったばかりです。今後、認知の広がりとともに、次第に拡大していくものと期待しています。しかし、この重要なメッセージを業界外にも届けるためには、外部への情報発信に投資する必要があると私たちは認識しています。 

異なるアプローチ 

この取り組みの原点は、シズベルのセルラー IoT プログラムの黎明期にあります。このパテントプールの立ち上げに関わったすべての関係者は、ライセンシー候補者とのコミュニケーションには新たなアプローチが必要であることを認識していました。 

これまでのセルラー関連のライセンス交渉は、大手で高度な知識を有する企業同士の継続的な取引が中心でした。そうした企業はいずれも、警告書や特許リスト、ライセンス提案を処理し、「FRAND ダンス」と呼ばれる交渉の型を実行できる大規模な法務部門を擁しています。   

一方で、典型的な IoT 企業は、スマートフォン大手とはまったく異なります。最近の IAM のインタビューで、Nordic Semiconductor の代表は、自社には 1 万社以上の顧客が存在し、その多くが法務部門を持たず、無線技術にも詳しくないことを説明しています。これらの企業は、幅広い用途や業種に対応しており、製品価格帯も $10 から $1,000 と多岐にわたります。 

セルラー IoT 技術は、他の規格との間で激しい競争にもさらされています。もし NB-IoT や LTE-M の導入において特許が大きな障害と見なされれば、製品メーカーは他の手段を選ぶだけです。  

したがって、このパテントプールは、最高額のロイヤリティ料率の実現ではなく、市場の拡大に注力しています。そのため、最初の書簡からライセンス交渉に至るまで、ライセンシー候補者とのコミュニケーション方法は従来とは大きく異なるものになっています。 

市場の声に耳を傾けること 

このパテントプールにおける教育的側面は、一方通行ではありませんでした。シズベルは市場との対話にも積極的に取り組み、そのフィードバックを真摯に受け止めています。 

先月、当社は技術導入企業との協議を経て、このパテントプールにおける 価格改定 を発表しました。この改定では、主要なセグメントでロイヤリティ料率を引き下げました。これにより、セルラーエコシステムのあらゆる分野から集まった 30 以上の特許権者の高い柔軟性が反映されています。 

デバイスメーカーやモジュール製造業者と対話を重ねる中で、私たちが耳にする重要な点は、製品出荷量を大幅に増加させるためには、セルラー分野のロイヤリティ料率に対する予測可能性を高め、適切なビジネスケースを構築できるようにする必要があるということです。   

市場との対話を通じて、IoT デバイスメーカーが特許に関してよく抱いている誤解も明らかになってきました。例えば、多くの企業が、自社のサプライヤがすでに必要なライセンスを取得済みだと誤って信じていたり、補償条項によって十分に保護されていると考えていたりします。こうした問題こそが、私たちのコミュニケーションキャンペーンを通じて今後も取り組んでいくべき課題です。 

終わりではなく始まり 

当社が Nordic Semiconductor と先月 合意 に至ったライセンスフレームワークは、本プログラムにとって大きな節目となりました。この合意により、シズベルのソリューションがサプライチェーン全体に支持されているという安心感を IoT OEM に与えるとともに、より多くの IoT デバイスメーカーにシズベルのメッセージを届ける道が開かれます。しかし、これはまだ始まりにすぎません。 

より幅広いコミュニケーション活動も、今まさに始まったばかりです。今後も引き続き、 www.iotpatentpool.com に情報を追加していくとともに、特許に初めて触れた方々の関心や懸念をさらに理解し、それに応じた新たなリソースの構築も検討していきます。 

より多くの特許権者やライセンス関係者が、こうした取り組みに続くことを願っています。このような活動は、1 社だけでは成し得ません。しかし、力を合わせれば、不可能を可能にすることができます。私たちが行動を起こすことは、特許と規格のエコシステムの未来にとって極めて重要です。 

Sven Törringer は、シズベルのセルラー IoT プログラムマネージャです。 

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